Nikon   F2初期型

   ニコンF2は、1971年9月発売されましたが、最初の3年間はニコンFと併売されていました。この併売期間のニコンFは、ニューFやアポロなどと言われて、近年の中古市場ではF2より高価で取引されています。
   そして、1980年3月に後継のニコンF3が発売されると、ほぼ同時期に生産終了しています。
   以上から、F2の製造期間は、1971年から1980年の約10年間となります。
   そんなニコンF2ですが、初期生産のニコンF2は後の個体とは異なる部分が存在します。その「初期型」の特色を見ていきます。
   各画像は、左側が初期型、右側が初期型でないものです。




1    ネジ
   初期型は、使われているネジがマイナスネジです。
⑴    マウント


⑵    エプロン


⑶    底蓋


⑷    裏蓋取付部
   私が所有する初期型ブラックの個体は、ここだけはプラスになっていました。この個体は中古で入手したので、製造の早い時期でここだけプラスに切り替わったのか、それとも後の修理でプラスに置き換えられたのか、不明です。

⑸    フォトミックファインダー



2    張革
   初期型は、ニコンFと同じタイプのものが使われています。
⑴    左前

⑵    右前

⑶    裏蓋

⑷    フォトミックファインダー
   初期型は、接眼部の部品の上部にまで革が張られています。



3    巻き戻しクランク
   初期型は、巻き戻す時に持つツマミの形状が異なります。
⑴    横からの画像

⑵    斜め上からの画像



4    フィルム巻上げスプール
   初期型は、フィルムを差し込む溝の数が多いです。



5    フィルムガイドレール
   初期型は、上下側左端の形状が異なります。



6    ミラー金具
   初期型は金具一本でしたが、後に金具2本に変更されています。



7    電池室の接点
   上に接点が追加されました。



8    電池蓋
   初期型は+の刻印が細く、切り欠き溝が太めです。



9    裏蓋のメモホルダー
   初期型は真っ黒のでしたが、後に縦に筋が入ったタイプに変更されています。



10    ミラーアップ
   画像では分かりませんが、初期型は絞込みボタンを押さず、ミラーアップレバーを回転させるだけでミラーアップができます。後に、絞込みボタンを押しながらでないとミラーアップレバーを回転できなくなっています。



11    巻き戻し用ボタンの周りの窪み
   初期型は窪みが大きくなっています。
   また、製造期間によって、巻き戻しボタンに溝が切ってあります。



12    裏蓋開閉レバー
   ブラックボディーの場合、当初は裏蓋開閉レバーの半分が黒色でしたが、途中から黒色部品の使用が終了して、シルバーの個体と同じく全てシルバーとなりました。



13    巻上げレバー
   分解しないとわからない違いなのですが、初期型は部品点数が一点多くて、ネジがマイナスです。そして、ネジがプラスかマイナスかの違いではなく、マイナスの方が径が細くて長いので、両者に互換性は有りません。また、レバー側のネジを通す穴も初期型の方が小さいので、その後の仕様のプラスのネジはこの穴を通りません。








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